記憶が保てるように

主に舞台や本、映画などエンタメと日常の話

【喫茶店】押上・浅草の休日

仕事で家にいる頻度がコロナ禍初期よりも増えてきた。わたしはとにかく太陽に当たる時間と、なまの人間と話す時間なくしては心身の健康が保てない。もちろん常にとはいかないけれど、この二つをチャージできるときにしておかないと、と最近は意識している。先週はなんだか「いつもと違うことをしないと無理!!」感がすごくて、外はどう見ても悪天候だったけれど長傘片手に出かけてきた。

カド

押上で降車しておきながらソラマチの通りをスルーして、この日一番の目的だったカドに直行。住宅街でもないけれど特にお店もない、ちょっと無機質な道路脇をしばらく歩いていたら現れた。雨降りだからか、私がいる間はほぼずっと貸し切りだった。
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写真の通り、美術館さながらのクラシカルで静謐な美空間!なのに、コーヒーが一杯400円で会計時に驚いた。調べると、内観は志賀直哉の弟さんが手がけたものらしい(初代店長の知人なんだとか)。お手洗いを借りるとそれはもう建物の古さが分かるのだけど笑、これはとにかく保護されるべき空間だ。店長が軽快なしゃべりで「僕みたいなツイッター中毒は……」と話していて、店空間とのギャップに笑ってしまった。ああ、もっと近くにあったら頻繁に来るのになあ……。

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ロンドンのテート・ブリテンでたまたま観て好きになって以来、スマホのロック画面にしているジョン・シンガー・サージェントの絵が入口に掛けてあって、うれしびっくりだった。

こぐま

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続いてこちらも貸し切りだった。古民家を改装した一軒家のお店で、鎌倉とか札幌とか金沢とか松本にありそうな雰囲気笑。都内は土地が高いし古民家カフェって意外と少ないよね。小学校風の机と椅子がかわいい。店内は静か、店員さんも穏やかなお兄さんで落ち着いて過ごせた。

ロッジ赤石

少し歩いて浅草方面、「ロッジ赤石」へ。ここでこの日初めて自分以外のお客さんを見た笑。客層がまさに老若男女で、ファミリーからカップルから新聞読んでるおじいちゃんまで。地元の人が多かった。一人客が多い男性寄りの老舗喫茶、というよりは、温かみのある集いの場所という感じ。あだち充作品に出てきそうな雰囲気(伝わる?笑)。コーヒーはサイフォン。カウンターに座るとよく見える。
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壁には時計がたくさん

シーフードドリア、本当に美味しかったな~~!よく、懐かしの母の味なんて言うじゃないですか。わたしはよそんちの家庭の味つけがちょっっぴり苦手なのでその言葉を聞くと警戒してしまうんだけどw、ここの料理は良い意味でクセの強くない、“プロが作る家庭の味”だった。フードメニューの種類が多くて、目の前で運ばれていたできたてのカツ丼もすごくおいしそうだったな。。雨の中歩いた後だったので、ごはんが一層おいしく感じた。


浅草に来るときはいつも関東外からきた友達と一緒に、というパターンが多かったから、我欲のままに行きたいお店だけ行くのもたまには気楽でいいなと思った。(いや、普通に人に会いたいけど!)泊まりではないにせよ非日常感を味わえた一日だった。
この前友達が「コロナ禍以前がすべて輝かしい青春時代に思えるほど遠い」と言っていて、少し笑ったけど悲しい哉同意した。6月は予定していた『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロイリュージョン~復讐のアバンチュール~』(ここまでひと息)が全公演中止になってしまったので、舞台も現場なし。仕方のないことだけど、去年の中止分を取り返す公演だっただけに、思いのほかジメジメうじうじと引きずってしまっている。関東の梅雨明けはいつかな。