記憶が保てるように

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2018年現場振り返り(舞台編②)

 

 

前半はこちら↓

2018年現場振り返り(舞台編①) - 記憶が保てるブログ

年が明けちゃったけど下半期分書きます。

 

6月

ミュージカル「モーツァルト!」@帝国劇場

はじめまして、ミュージカル「モーツァルト(Mozart)!」 - 記憶が保てるブログ

M!の曲は東宝ミュのなかでも耳に残るものが多い気がする。親子観劇もおすすめな作品だなあと思いました。この辺から古川雄大くんが気になり始め、秋はMAへ。

 

8月

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!応援上映@AiiAシアター

生の舞台とは違うんだけど、AiiAで行われたハイステの応援上映に行ってきた。これは初演から6作品が立て続けに連日上映されるというイベントで、参加したのはその初日(ハイステ初演)。

そもそも映画含め応援上映自体行ったことがなかったんだけれど、めちゃくちゃ楽しめた。入場時に配布されるバルーンスティックを持ってボムボムボム!!と叩きながら声出して応援できるのが本当の観戦さながらで最高。この日はキャストから4人(須賀健太くん、塩田康平パイセン、川原一馬くん、KTこと田中啓太くん)が登壇。一緒に映像を鑑賞しつつちょっとしたトークもあり、カンパニーのなかでも自他共に認めるしっかりメンバーでさすがの安定感だった。笑 個人的には、ハイステ関連でAiiAに入れるのが久しぶりだったので*1エモさも乗っかって思い出深い現場になりました。

 

ミュージカル「マリーゴールド」@サンシャイン劇場

ついに観ましたTRUMPシリーズ。マリゴに行くにあたってこれまでの作品を予習したりと準備期間も含めて楽しかった!ビギナーなのでまだ知識が定着していないこともあってか、過去のシリーズ作品ではネタあかし(言い方…)になると時系列や人物関係が整理できなくて混乱しがちだったんだけど、マリゴは初見の時点で飲み込みやすかったな。

田村芽実ちゃんのガーベラは絶望と希望が混在した感情丸裸の存在感に目を奪われざるをえなかったし、壮一帆さん演じるアナベルはまるで聖母のようでにじみ出る赦しの力がすごかった…。壮さんと愛加あゆさんのツーショットを見るとなんかときめいてしまって、ソッと心臓を押さえたくなる。東啓介くんのコリウスもずるすぎた、ソロ曲が好き。クラシックソファを与えればあとは歌い踊るだけで世界は彼のものになるって感じだった。ロングジャケットを華麗に翻して、(脚と呼ぶには長すぎる)脚を組み替える振り付けも最高。耽美で哀しい至高の世界。そして布に感謝する舞台でした。合掌。

  

9月

明治東亰恋伽@シアター1010

今年観た作品の中でも相っっっ当ボロ泣きした作品。手放しに「いいもん観たぁ~~!!!」ってバンザイしたくなるような幸せな純愛ストーリーだった。舞台としての完成度の高さはもちろん、そこに加えて作り手がこの作品にかける大きな愛情と誠意みたいなものが感じられて、ああ…舞台っていいなあと心から思えた。

自分もそうだったんだけど、恋愛ものや乙女ゲーに苦手意識のある人にもぜひ見てほしい。人参は苦手だけどカレーに入れたら食べられる、みたいなことです。めいげきはカレー。1月末に円盤が手に入るのでその際に改めて感想をアップしようかな。

 

10月

日本テレビ開局65年記念舞台「魔界転生」@明治座

堤幸彦氏演出舞台。まさか生で松平健浅野ゆう子といったメンツを見ることになるとは思わなんだ!そんな大御所に並び、堂々たる主演としてゴリゴリに頼れる背中を魅せてくれる柳生十兵衛上川隆也)の旦那感がスゴい。ついて行きたい。

若手俳優の面々も見応えたっぷりだったんだけど、特に村井良大くんが最高だったな。抜群の安定感ある演技力と根津甚八の小粋な立ち振る舞いがかっこよくて惚れ惚れした。ハケてしまったら甚八を!甚八はよ!!という状態になってた。(笑)

 

11月

ミュージカル「マリー・アントワネット」@帝国劇場

マリー・アントワネットは、(実在する人物を描いた作品の中でも)あまりにも有名な人物だからこそ、観客が結末を知っているところからスタートする点が特殊だなと思った。だからこそ感じられる世界史的なおもしろさや、カラオケで知っている曲を聞いたときのような「ああ、このシーン!」って思える楽しさがあったな〜。

そういう誰もが知っている史実の部分に加えて、ミュージカルオリジナルのマルグリット・アルノーというキャラクターがいることで物語らしいファンタジー感がプラスされていて、彼女がいる意味は大きいなと。大勢の民衆を具現化したようなマルグリットという存在がいることでマリーとの対比がよりハッキリとして、観ている方も自分の立ち位置を、あるいは正義とは何かを、考えるようなつくりが秀逸だったなと思いました。クラシカルな衣装も素敵だった。

笹本玲奈さんマリー、華やかで綺麗さのなかに可愛らしさもあって、あまりに絵に描いたような王道な美しさなので、セーラームーン…と思った。いかにもお嬢様っぽい、わがままだけど素直そうな雰囲気がキャッチーでかわいい。古川雄大くんのフェルセンは、陰ながら支えるという静かなる芯の強さと持って生まれたような気品がぴったりハマっていて、本人の気質にも重なっているような自然さを感じた。マルグリットは昆夏美ちゃん。前半はブレない強さと復讐の念、後半は人間らしさと少女としての可憐さが見えてくるつくりで、とても魅力的なキャラクター。これは昆ちゃんのさじ加減のような気がするけど、フェルセンへの控えめな思いが見え隠れするシーンにきゅんとした。

 

 

12月

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“最強の場所”

初演から3年間観てきた烏野高校キャストの卒業公演ということで、エモさここに極まりという作品でした。シリーズ全作観ていた中でもまさに集大成という、演出をはじめ技術的な部分で各セクションの作り込みもすごかった。見る前は無理なんじゃないかと思ったけど、VS青葉城西、VS白鳥沢っていう2試合をよく1本の作品にまとめ上げたな〜と感動した。

キャストMVPは個人的には遊馬晃祐くん。演技の中でも声の繊細なコントロールがすごく上手で多彩。今回は特に前半が青城戦で及川徹くんがメインになる役どころだったけど、キャプテンとしての彼の演技に何回泣かされたことか…。青城、良いチームだなと試合後のシーンは何回観ても毎回ぐっときました。

今作はハイキュー!!でバレー部のみんなが部活に取り組んだ「3年間」と、初演からのキャストがハイステで過ごした「3年間」が重なってみえるようなつくりになっている場面が随所に散らばっていてそれがまあ、ずるかった…。千穐楽では丁寧に挨拶の時間を設けてくれて、先代キャストを含めて卒業式のような演出をしてくれたのが嬉しかったし、応援していた身としてもちゃんと成仏できそうです。

ハイキュー!!」っていう原作は本当に魅力的で、でもハイステはそこからさらに一歩踏み込んで、「演劇でしか魅せられないもの」を作ることに命かけてるのが分かるから、心惹かれてしまう。観てると絶対に飽きさせてはなるものか!!って血走った目で言われてるような気持ちになるwだから本当に楽しい!いつも信じられないくらい手間がかかっていてめちゃくちゃ本気なんだよなあ。また今年もシリーズとして続いてくれることが嬉しいです。次も楽しみだよ〜。

 

劇団柿喰う客「美少年」@Geki地下Liberty

2018年の観劇収めは初めての柿喰う客でした!とある美少年誘拐事件とその30年後を描くというストーリー、それも事件の被害者である「少年」の。(!)…というあらすじを読んでまず気になって、公演の前にあった朗読イベントを見てからチケットを購入。

キャストは男性4人だけ、舞台装置なし、小道具もなしで身体一つで表現する超濃密60分。話はシリアスなのに、メタ演出を含んだ軽快なギャグも満載でクセになる独特のスピード感が心地よかった。下北の地下空間の数少ない客席で、密度の濃いあの時間を体験できたことも純粋に嬉しかったな。私の観劇人生の始まりはクラシックがきっかけでこれまであまり小劇場に行く機会がなかったんだけど、来年は小劇場演劇をもっと観たいなと思った。ありがたいことにYouTubeの劇団公式チャンネルに過去作品がアップされているので、ちょっとずつ見ています。

 

 総括

1作品を数回観に行ったものもあれば1回だったものもあるんだけれど、観てよかったと思える作品が多かったのが何より幸せ。2017年よりも多くミュージカルに触れられて、特に「ラカージュ」を観たときに感じたのは、底抜けに明るいパワーがあるものってその内側に強さがあると思った。そういう作品が好きかもしれない。

2019年はもっといろんなジャンルに裾野を広げたい。あとは最近行けてないクラシック関連(喜劇もののオペラ、オペレッタ、バレエ)、行ったことのない伝統芸能(歌舞伎、落語)らへんを覗きに行きたい。舞台って楽しいね!!!

 

来年の予定

現在のところチケットがあるのは、今熱い若手が集合する「ロミジュリ」、「キンキーブーツ」再演。ちなみに新年一発目は少年社中「トゥーランドット」です!

トゥーランドットはもう今から期待値が高まりすぎていて、「演劇で世界を変える」っていうキャッチを読んだだけでアツすぎる。松田凌パイセンと生駒ちゃんのW主演。この二人の主人公性に似たものを感じています。異なる世界線を歩んできた二人の主人公出会ってしまう〜!色んな現場を楽しみに、今年も生き抜きたいと思います。

 

 

*1:ハイステの東京公演はキャパが大きくなりTDCや日本青年館で上演されているため