記憶が保てるように

主に舞台や本、映画などエンタメと日常の話

『アヤメくん』の町麻衣先生のサイン会に行ってきたよ

 

わたしの愛する漫画、『アヤメくんののんびり肉食日誌』の作者・町麻衣先生のサイン会に行ってきたぞ~!

 

10巻発売おめでとうございます!

 

わたしにとって生まれて初めての漫画家さんのサイン会。

『アヤメくん』とわたしの馴れ初め(?)について触れると、そもそもは数年前、友達*1に薦められたことがきっかけだった。線の綺麗な絵とお洒落な装丁が第一印象。「生物学科研究室」×「恋愛」(しかも主人公が骨好き)というあまりないテーマとほわんとした空気感に惹かれて、読んでみると超リアルに掘り下げて描かれた生物学科独特のキャンパスライフに「こういう漫画あるんか……!」の連続だった。(ワニ洗い、キリン解体、ゴビ砂漠で化石発掘とかしちゃう)しかもそういう専門分野を取り上げてるのに、堅苦しい雰囲気を一切感じさせないのがすごい。生物オタクのキャラクターたち&なんともシュールなギャグがかわいいし笑えて、とってもソフトで読みやすい。見た目はギャルなのに骨オタの主人公・椿ちゃんが大好きな研究のために時に泥臭くひたむきに頑張る姿はグッとくる場面も多くて、お仕事漫画のような熱くて心にじ~~んとくるエピソードもいっぱい。そんな不思議ですてきな『アヤメくん』の世界にどんどんずんずん引き込まれて、現在に至るのでした。

 

申し込む

今回のサイン会は単行本10巻発売を祝してのイベント。サイン会の告知をTwitterで見て意を決し、ある日の帰り道、最寄り駅の構内で書店に電話をかけて申し込んだ。(せっかち具合がうかがえる)イベントの申し込みのために書店に電話をかける、というシチュエーションにまずそわそわした。「自分」と「推し」の間に「第三者」を介する時って妙に緊張する。ふだんの主戦場である、舞台関連や俳優イベントの申し込みは大方ネットからなので(電話先着の一般販売までもつれると諦めることが多いので記憶から消されている)新鮮だった。そんなこんなで参加権を手に入れた!

 

手紙を書く

長年オタクをしていると誰もが通る手紙文化。わたしも例に漏れず、舞台やコンサート、イベントなどに行くときはしばしば手紙を出してきた。ブログと違って手紙は個人に向けての発信。町麻衣先生にファンレターを出すのは初めてだし何を書くのか迷ったけれど、わたしの大好きな「奈良さん」こと奈良アキラさま、「アヤメくんパパ」こと菖蒲綾夫教授の激推しシーンは心の支えなので、それは絶対に外せない!と思ってせっせと書いた。

手紙や感想を書くのは割と好きなほう。作品に対してどう感じたかを言語化することで頭の中が整理できるし、せっかく生まれたホヤホヤの感情をやがて忘れてしまうと思うともったいないからだ。(わたしはものすごく忘れっぽく、「おもしろかった」「微妙だった」の理由まで覚えておけないので、自分の記憶力を一切信用していない)何より、作品にたいしてリアクションをしたい、という気持ちがある。心を揺さぶられた作品への全力の「ありがとう」とか「好き」はできるだけ示したい。特にこのブログやSNSはそうだけれど、自分の中だけで「熱」をあっためておくにはもったいないから、あわよくば多くの人に知ってほしいし、誰かに届けばいいなあと思って書いています。

 

ちなみに、手紙を書きながらふとツイッターで「奈良さん アヤメくん」とエゴサをかけてみたら、奈良さんとアヤメくんの6巻について、ほぼまったく同じ内容を書いた2017年・2018年の自分のツイートが連なって出てきて、あまりのブレなさに笑った。そして2019年も同じことをつぶやくのである……。

 

対面する

今回の会場はジュンク堂池袋本店。漫画家さんのサイン会に行ったことがないので、ドラマの『文学処女』で見たサイン会の場面(主人公が文芸編集者、相手役が作家)を思い出してイメトレ(?)……。

TVドラマ「文学処女」 | MBSドラマイズム

俳優やアイドルとの握手会やらチェキやらの接触イベント経験がゼロではないけれど、そのたびにいつも悩む。一応話題を決めて行くんだけど、あがり症なのでいざ対面すると頭がまっしろになって何も言えない、ということを繰り返しているオタクです。それでも、「好き」を作ってくれている人と対面できる喜びはやっぱりでっかいから、「緊張」との天秤をはるかに越えてしまうんだよなあ。 

 

列に並んで待っている間、なんとなく他の人の声が聞こえてくるあのなんとも言えないそわそわ感よ。レディース誌連載だしメイン層は女性なんだけど、男性もちらほら。わたしの前に並んでいた男性は恐竜や古代生物が好きなようだったし、そういう人はきっと読んでいてより楽しいだろうなあ。(わたしも子どものときは恐竜大好きっこでした)

待っている間にこのアンケートが配られた。 

 ツイッターにも書いたけれど、「好きな動物(現生・絶滅問わず)を教えてください」って質問項目が『アヤメくん』の世界!って感じで最高じゃないですか?「現生・絶滅」って。この二択、見たことない。笑 

 

そしていよいよ町先生、担当編集さんとご対面。『アヤメくん』に出てくる主要女性キャラクターって、椿ちゃんとか、桐生先輩とか、ぱきっとした凛々しさと色気を兼ね備えてる子が多いと思うんだけれど、先生がイラストと雰囲気が似てて激烈感動してしまった……。お洒落でかっこよくて、ぽえ~♡となってしまった。しゅてき。。恐縮していたら担当さんが「アンケート(自由記入欄)、いっぱい書いてくれてありがとうございます」「台詞覚えてるんですか?」などと声をかけてくださって、その爽やかホスピタリティに「アイドルでは……?!」と思った。待っている間ほかの方の会話がなんとなく聞こえてくるけど、いずれも担当さんの褒めコミュニケーションがうますぎて……5秒で好きになってしまうわ! わたしは相変わらず緊張していたんだけれど、お二人が気さくに話してくださって、嬉しくて、心臓がぎゅ~ってなった。おかあさん、世界の創造者に会ってしまったよ……。(放心)

 

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先生が押してくれたはんこ。かわいい!

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 サイン会の後に、イラストカード9枚のお手土産までいただいてしまって……。どのキャラの骨格も構図も配色も漏れなく最高です。特にお気に入りは、真ん中のメンズ4ショット!セクシー!

 

感想として一番は、漫画家さんのイベントってこんなに楽しいんだ、こんな気持ちにさせてもらえるんだ……ってこと。漫画を読むのは子どもの頃からの趣味だから、「描いてる人に会える」ってことの高揚感がすごかった。表方にいる芸能人と違って、読者が作者のパーソナリティを直接的に伺い知る機会は少ないけれど、わたしにとっては子どものときから変わらず「世界を作っている人」です。そんな先生が作ってくれる漫画の世界が好きだなあ、と改めて思えた日でした。

*1:『アヤメくん』を教えてくれた友達とは当時、会社と終業時間がそこそこ近かったので、新刊が発売すると仕事終わりに食事をして、書店で一緒に漫画を買う、みたいなことをしていた。今はその子が海の向こうに引っ越して頻繁には会えなくなってしまったけど、最近も10巻が出たときはLINEで「奈良さん出てるよ」「やばい早く買わなきゃ」みたいなやり取りは続いている